【2次関数】センター試験を解いてみる(2019年度)①

今回は、2019年度のセンター試験の数学Ⅰの中の2次関数の問題を解説します。

現在はセンター試験制度は廃止されて、共通テストという名前で行われています。なので、入試対策をするのであればセンター試験の過去問よりも役に立つ情報はあると思います。

しかし、このブログで過去のセンター試験の問題を取り扱っているのは、入試対策というより「2次関数の理解を深める」ことに重点を置いているので、その点を理解いただいたうえで参考にしてもらえると幸いです。

問題

問題
参照先

2019年度 大学入試センター試験

*センター試験公式サイトからはなぜか閲覧不可だったので、今回は別のサイトから持ってきました。

解説

(1)について

来ました。頂点の座標です。頂点と来たら…そうです。平方完成です。

平方完成についてはコチラ↓

\(y=x^2+(2a-b)x+a^2+1\)という式を平方完成すると…

\[(x+\frac{2a-b}{2})^2-\frac{b^2}{4}+ab+1\]

という式が出来上がります。あとは、問題の解答形式に合わせて変形ですね。頂点の\(y\)座標の方はいいですが、\(x\)座標の方は少し変形します。すると…

\[\frac{b}{2}-a\]

という式が出てくるかと思います。

(2)について

グラフ\(G\)が点\((-1,6)\)を通るとあります。では\(G\)の式に\(x=-1\)と\(y=6\)を代入しましょう。すると…

\(a^2-2a+(b-4)=0\)という式が出てきます。あれ、何か\(a\)についての2次方程式になりましたね。

方程式を見たら解きたくなりますよね…(笑)。因数分解では解けそうにないので、解の公式を使います。とりあえずやってみましょう。式を整理すると…

\(a=1\pm\sqrt{5-b}\)という式が出てきます。

問題の冒頭に、\(a\)と\(b\)はともに正の実数とするという条件がありましたよね。その条件がここで活きてきます。\(a\)は実数なので、\(\sqrt{5-b}\)の部分が0以上になればいいですね。もし\(\sqrt{5-b}\)がマイナスになれば\(a\)は虚数になってしまいます(虚数については数学Ⅱで学習するはずです)。

したがって、\(\sqrt{5-b}\text{≧}0\)という不等式が成り立つので、\(b\text{≦}5\)、したがって\(b\)の最大値は5です。

\(b=5\)を\(a=1\pm\sqrt{5-b}\)に代入すると…\(a=1\)となります。


最後です。\(y=x^2\)をどれだけ平行移動させたものであるかを答える問題です。

まず、先程出した\(a=1\)と\(b=5\)を\(G\)の式に代入します。

すると、\(f(x)=x^2-3x+2\)となります。これを平方完成すると、

\[f(x)=(x-\frac{3}{2})^2-\frac{1}{4}\]

となります。

したがって、\(x\)軸方向に、\(\frac{3}{2}\)、\(y\)軸方向に\(\frac{-1}{4}\)だけ平行移動したものであることが分かります。

まとめ

今回の問題を解くにあたって重要なポイントをまとめてみましょう。

まとめ
  • 頂点の座標を求めるためには平方完成をする
  • 実数であるためには、根号(ルート)の中は0以上でなければならない

こんなところでしょうか。今回の中で一番難しかった問題はトとナの部分だったと思います。\(a\)についての2次方程式が出てきたときに、\(a\)と\(b\)が正の実数という条件から不等式に持っていけるかどうかが解決のカギとなるので、そこに気づけるかどうかですね。


というわけで、今回はここで終わりです。何か参考になる情報があれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。